大型の重機を使用しない「手壊し解体」とは?
2022.2.10
解体工事において大部分は重機を使って取り壊しを行ったり建物を潰す工法が用いられます。
現在は建設リサイクル法によって分別解体や再資源化が義務づけられているため、重機のみを使用して解体するのではなく「手壊し解体」という工法も併用されることが主流となっています。
今回はこの「手壊し解体」についてご紹介します。
手壊し解体とは?
手壊し解体とは、重機を使わずに人の力で建物を解体する工法のことです。
手壊し解体時にはバール、チェーンソー、ハンマー、一輪車、解体バチなど手で持ち運び可能な工具を使用するほか、ミニユンボなどの小型重機を用いることもあります。
手壊し解体が必要なケース3例
1、分別解体等及び再資源化等の実施義務の対象となるとき
建設リサイクル法では、コンクリートなどの特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事について、その受注者等に対し、分別解体等及び再資源化等を行うことが義務付けられています。
対象となる建設工事の規模に関する基準に該当する場合、手壊し解体が必要といえます。*
*参照元:https://www.env.go.jp/recycle/build/gaiyo.html
2、道幅が狭い、あるいはスペースがなく重機が使用できないとき
道幅が狭かったり道路と敷地内に段差があったりして重機が侵入できないことがあります。あるいは敷地内にスペースがなく重機が設置できないときも、必然的に手壊し解体となります。
3、人通りや交通量が多い場所
人通りや交通量が多い場所で重機を使って取り壊しを行うと、安全面で問題があったり、発生する騒音・振動が問題になることがあります。このようなリスクに鑑み、手壊し解体が選択されるケースがあります。
手壊し解体のメリットとデメリット
メリットとしては、騒音・振動の発生を極力おさえることができること、建設リサイクル法による分別解体が可能なことが挙げられます。
反対にデメリットとしては、コスト(手間、費用)がかかること、工期が長くなることが挙げられます。
現在の主流な工法とは?
現在では、手壊し解体と重機による解体を組み合わせた方法が主流となっています。例えば建物のある敷地内が狭く重機が設置できない場合、解体を進めて設置スペースを作ることで、途中から重機を導入することができます。
このように、重機による解体と手壊し解体を組み合わせることで、振動・騒音や環境面で配慮するとともに工期の長期化を防ぎ、コストを削減することが可能です。